【PS3】 初期型60GBの熱対策 【CPU 殻割り編】

PS3初期型が発売されて約8年がたつ(2006年11月発売)
使い始めて5年頃からファンが10分も立たないうちにMAXまで回転しうるさく感じていた。
 
CFWを導入し、温度を確認したところ、(室温:26.5℃)
GPUの温度は50~60℃前後でまぁこんなもんといったところ。
しかし、CPUが問題で、70℃(起動時すぐ)→75℃(1分後)→ファンMAX→70℃を行ったり来たり
ファンが静かになったと思ったら、再び75℃になり...以下ループ
時には、温度が上がり続けオーバーヒートする始末(強制終了)
 
今年の夏こそは!と思い対策を考えてみる。
1.基板を外に出して、使ってみる
2.空気の取り入れ方を改良する
3.電源部分を外付けにしてみる
4.CPU/GPUのグリスを塗り替えてみる
 
結果としては
1.装飾を全て外し、熱が籠もることが無くなったが効果なし→爆音のまま
2.箱に穴を開け、排気口にファンを取り付ける。→排気量は多くなったがあまり変化なし
 
この2点で、エアフローの問題では無いことが分かる。
 
3.未検証:いろいろ電子部品がいるみたい?めんどくさい。
4.分解をし、ヒートシンクを取り外したところカピカピに乾いてしまっていた。
   そこで3.8W/mk程度のシリコングリスをつけて試してみる。
 くみ上げてテストしたところ、CPUの温度の急激な上がり方は解消された。
 しかし、75℃へ達し70℃を行ったり来たり。これはCPU自体の問題なのではと考える。
 PS3のCPUは、チップ→ヒートスプレッダ(金属の板)→ヒートシンクとなっている。
 PCのCPUでいうivy世代からのグリスバーガー状態と言える。イメージ 1
 
 CPUのヒートスプレッダとCPUの間のグリスがダメであればいくらファンを回しても意味が無い。
 
 そこで、殻割りを試みる。
 海外のフォーラムを見ていると金属のヘラを挿入し、
 ヒートスプレッダまわりのパッキンを切り、取り外していた。
 
 つまり薄い物であれば良い。(1mm以下のもの。0.2mmくらいがベスト?)
 カッターで切ろうと思ったが少し切れるだけで意味が無かった。
 
 金属のヘラで周辺のチップを傷つけてしまたっり、
 弾き飛ばしてしまうことを恐れて、樹脂のヘラで挑戦してみた。
 
 使用したヘラは KOWA 樹脂ヘラ 45mm No.11504
   ホームセンターで¥130位で購入。amazonだと¥300くらい。
 ペンキや塗装のコーナに置いてあることが多い。
 
 パッキンをきるためには、全てのシールド(アルミの板など)を取り外し、
 基板だけに必要があるので、分解作業をすること。
イメージ 2
 画像を見てもらうと分かるが、4辺の1カ所だけ切れ目がある。
 ここが弱点なので、このあたりからヘラを差し込んでいく。
 このときにできるだけ水平に差し込む。パッキンは5mmくらいあるのでそれなりの力が必要。 
 
 一度、入ってしまえば簡単にきることができる。
 ヘラの尖った箇所をうまく使い、全体を差し込んでいくイメージ。
 
 無事にパッキンをきることができたので、状態を確認する。
 状態:チップの半分だけしかグリスがついていなかった。
 
 これはヒートスプレッダの精度とパッキンの問題である。
 さすが安定のチャイナクオリティ。
 
 ヒートスプレッダをチップに載せると回転するので、少し低めに作られている。
 パッキンの添付量を考慮しての設計だと考える。
 
 新しいグリスを塗る前に必ず、パッキンを除去すること。
 塗り終わった後、ヒートスプレッダを置き少し加圧し、すぐに外してみる。
 これは、どのように広がったかを確かめるために行う。
 パッキンの除去不足だと一部だけしか密着しない。
 
   シリコングリスではなく、熱伝達率の高いリキプロ(液体金属)を塗ってみても良いかと思う。
 
 確認が終わったあと、ヒートスプレッダに両面テープ(2mm幅 byダイソー)を貼り付ける。
 そして再度、グリスを塗り両面テープ付のヒートスプレッダを取り付ける。
 
 必要な箇所にグリスを添付しヒートシンクを取り付け&分解と逆の手順で戻していく。
 
<結果>
CPU:65℃(起動時)ー負荷をかける→70℃前後を行ったり来たり
ファンがMAXで回ることは無くなった。
GPU:50~60℃ 変化なし
 
75℃まで発熱していたCPUは大幅に改善され、許容範囲内に収まった。
時々MAXまで回転することはあるが、すぐに温度は下がり65℃まで落とすことができた。
 
ヒートスプレッダとCPUの間のグリスを塗り直すことは、
冷却効果の改善にとても有効的であることが分かった。
 
ファンの爆音や発熱に悩んでいる方はお試しあれ。
 
以上